「筆跡でその人の心理状態や性格などがわかる」という話を耳にすることもあると思います。確かに、筆跡にはそのときの心理状況や、性格などが現れることもあります。このような側面から筆跡を研究する分野を「筆跡学」といいます。
筆跡学と筆跡鑑定は同じ「筆跡」というものを扱うのですから似ていると思われがちですが、実は全く異なる分野です。
筆跡学は、人が文字を書く時の状況等から筆者の心理状況や性格などを把握することが目的です。
一方、筆跡鑑定は筆者の書き癖や身体的、年齢的、生育環境的特徴を加味した文字の構成上の特徴から、『筆記者が同一か否か』を判別することが目的です。
筆跡学はどちらかといえば心理学に近く、筆跡鑑定は警察等でも行われているように自然科学のフィールドになります。
ですので、筆跡から性格等がわかることを売りにしている鑑定人が、筆跡鑑定で質の良い鑑定書を書くことが出来るかどうかは全く連動しません。筆跡学の分野での実績は筆跡鑑定では何の意味もありません。
